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炎症・線維化による脂肪組織機能の制御

Regulation of adipose tissue function by chronic inflammation and fibrosis
田中 都,小川佳宏,菅波孝祥
Miyako Tanaka1)/Yoshihiro Ogawa2)3)/Takayoshi Suganami1):Department of Molecular Medicine and Metabolism, Research Institute of Environmental Medicine, Nagoya University1)/Department of Medicine and Bioregulatory Science, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University2)/Department of Molecular and Cellular Metabolism, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University3)〔名古屋大学環境医学研究所分子代謝医学分野1)/九州大学大学院医学研究院病態制御内科学(第三内科)2)/東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子細胞代謝学分野3)
10.18958/6233-00001-0001583-00

メタボリックシンドロームの病態基盤を形成する肥満の脂肪組織炎症では,脂肪組織に浸潤したマクロファージが重要な役割を担うことが知られている.マクロファージに発現するMincleは,肥満の脂肪組織炎症,線維化を促進し,脂肪組織の脂肪蓄積能を制限することで異所性脂肪蓄積をもたらす.一方,脂肪組織の線維化に関与する脂肪組織線維芽細胞は,間葉系幹細胞が細胞外環境に応じて分化すると考えられる.脂肪組織における健康な脂肪の量と質は,実質細胞の脂肪細胞のみならず,間質細胞のさまざまな相互作用により規定されると考えられ,今後のより詳細な研究成果が期待される.

肥満,脂肪組織炎症,脂肪組織線維化,マクロファージ,異所性脂肪

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