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褐色化に伴う脂肪組織線維化の抑制メカニズム

A suppression mechanism of fibrosis in brown adipose tissue
長谷川 豊
Yutaka Hasegawa:岩手医科大学附属病院糖尿病・代謝・内分泌内科
10.18958/7641-00036-0001779-00

褐色/ベージュ脂肪細胞が熱産生とは異なる機構により糖代謝を改善することが近年注目されている.われわれはその機序に着目し,転写因子GTF2IRD1を同定した.この転写因子は,褐色/ベージュ脂肪細胞の分化や機能の維持に重要な役割を担う転写因子PRDM16と転写複合体を形成し,脂肪組織の線維化にかかわる広範な遺伝子の発現を制御している.なかでもTGF-βシグナルを強力に抑制することで,脂肪組織における線維化の形成を抑制するとともに,肥満に伴う糖代謝やインスリン抵抗性を改善させる機序があり,肥満やメタボリックシンドロームの病態基盤の形成制御に重要な役割を果たしている.

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