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血管周囲脂肪組織の褐色化と血管疾患・炎症

Perivascular adipose tissue beiging in vascular inflammation and diseases
橋本昌樹,上田和孝,小室一成
Masaki Hashimoto 1)/Kazutaka Ueda 1)2)/ Issei Komuro 2)3):東京大学医学部附属病院循環器内科1)/国際医療福祉大学循環器バイオバンクリサーチセンター2)/東京大学大学院医学系研究科先端循環器医科学3)
10.18958/7641-00036-0001780-00

多くの血管の周囲には脂肪組織が存在し,血管周囲脂肪組織(perivascular adipose tissue:PVAT)とよばれている.通常の状態におけるPVATは,白色脂肪と褐色脂肪の中間的な特徴をもつが,特定の条件下では,褐色脂肪に類似した表現型がより顕著となる「褐色化(browning)」あるいは「ベージュ化(beiging)」という現象を生じることが知られている.近年の研究により,PVATの褐色化と血管炎症との関連がわかってきた.本稿では,PVATの褐色化が血管傷害における炎症制御にどのように関与するかについて,そのメカニズムを論じる.

褐色化,PVAT,血管炎症

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