実験医学 キーワード集 検索へ行くボタン

CTLA4

T細胞表面の分子で,活性化T細胞あるいは制御性T細胞Tregに多く発現する.細胞外ドメインは副刺激分子CD28と近似しており樹状細胞上のCD28リガンド(CD80やCD86)と競合する.CD28はT細胞の増殖や活性化に必要な副刺激シグナルを発生するがCTLA4はこれを抑制する.通常のT細胞ではCTLA4は刺激後に誘導されるためにT細胞活性化の負のフィードバック制御因子としてとらえられてきた.またTGF-βの刺激でも発現が上昇する.しかしTregではFoxp3の転写促進機能によって定常状態で強く発現されており,Tregが樹状細胞上の副刺激分子リガンドをマスクすることによりナイーブT細胞の活性化やエフェクターT細胞への分化を抑制すると考えられる.Treg特異的にCTLA4を欠損させるとTregの活性が著しく減少することからCTLA4はTregの重要な機能分子の1つと考えられる.(実験医学2010年4月号より)

TGF-βファミリー

多様な疾患のmaster regulator

宮澤恵二,伊東 進/企画

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです