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【スマホで読める実験医学】核内受容体NR4aによるT細胞疲弊と免疫寛容の制御
550円
T細胞の疲弊化は腫瘍免疫の効果を減弱させるだけではなく,チェックポイント阻害療法抵抗性の原因となる.しかしT細胞疲弊化の分子機構の解明ははじまったばかりである.われわれはFoxp3の転写を直接活性化し制御性T細胞(Treg)の分化に必須の役割を果たす転写因子として核内受容体NR4aファミリーを発見した.NR4aはCD8+T細胞においては,PD-1陽性の疲弊化したT細胞で強く発現誘導された.NR4aはPD-1遺伝子のエンハンサー領域に結合しPD-1の発現を安定化する一方で,AP-1やNF-κBと競合することでIFNγなどの抗腫瘍性サイトカインの産生を抑制する.NR4a阻害剤はTregの抑制とCD8陽性T細胞の活性強化を介して抗腫瘍免疫を増強しうる理想的な抗腫瘍免疫増強剤となることが示唆されている.
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