スマホで読める実験医学
550円

がん免疫におけるPD-1シグナルを介したT細胞疲弊と代謝制御

T-cell exhaustion and metabolic reprogramming via PD-1 signaling in tumor immunity
平野智子,茶本健司
Tomoko Hirano/Kenji Chamoto:Department of Immunology and Genomic Medicine, Graduate School of Medicine, Kyoto University(京都大学大学院医学研究科免疫ゲノム医学)
10.18958/6683-00001-0001013-00

T細胞疲弊は,がん免疫療法抵抗性の一要因として,大きな障壁となってきた.近年の研究で,疲弊T細胞はミトコンドリア機能不全に陥り,細胞内代謝バランスを崩していることが知られるようになった.そこで,この機能不全を解除し,がん免疫療法抵抗性を克服しようする試みが広がりつつある.一方で,疲弊T細胞の分化や,それに伴う細胞内代謝動態の変化といった詳細については,未知の点も多い.今後のさらなる解明と,科学的知見に基づく,より効果的な治療法の開発が期待されている.

がん免疫,疲弊T細胞,細胞内代謝,ミトコンドリア,PD-1

この記事は有料記事です

(残り約9,700文字)

  • 【スマホで読める実験医学】がん免疫におけるPD-1シグナルを介したT細胞疲弊と代謝制御
    550円