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全域木とは,無向グラフG(V, E)から辺を削減E′⊆Eして得られる部分グラフT(V, E′)のうちで,木構造になる(閉路/ループがない)ものを指す.最小全域木とは,全域木Tのうちで,各辺に割り当てられた重みwの総和∑e∈E′w(e)を最小とするものである.Monocleの設定では,Gは完全グラフ(すべてのデータ点同士をつなげた状態)からはじめ,重みは次元削減後の空間の点同士の距離から与える.このとき最小全域木は,点同士を結ぶ全経路長が最小になるものとして得られる.scRNA-seqの点の集まりから考えられるあらゆる経路のうちで,MSTによって得られる経路が生物学的に望ましいという正当性はあまりないが,論文中では,高次元空間に散らばる点の間を滑らかに通過する曲線の近似に相当するとの主張があった.右図は無理を承知でカタツムリの点つなぎの例でMSTを構築してみたものだが,分岐した角の再現度は悪くない.(実験医学増刊3820より)

機械学習を生命科学に使う!

シークエンスや画像データをどう解析し、新たな生物学的発見につなげるか?

小林徹也,杉村 薫,舟橋 啓/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

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