RANKL
腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリーのサイトカインであり,ヒトではTNFSF11遺伝子によりコードされている.広く免疫系に関与すると考えられており,RANKL欠損マウスでは骨吸収障害以外にリンパ節形成不全が認められる.(実験医学増刊4020より)
治療の可能性が広がる 抗体医薬
バイスペシフィック抗体、ADC、シングルドメイン抗体、機械学習…新技術と情報科学が実現した新時代のモダリティ
RANKLは骨芽細胞や骨間質細胞,滑膜細胞などが発現しており,破骨細胞の分化と活性化に必須の分子である.RANKLの受容体であるRANKを発現する破骨細胞前駆細胞に対してM-CSFとともに分化誘導シグナルを伝達し,活性化した破骨細胞は骨吸収を促進,骨リモデリングが促進される.RANKシグナルの亢進は骨粗鬆症の病態に関与しており,抗RANKL中和抗体(デノスマブ)が開発され,治療に使用されている.(実験医学増刊4015より)
自己免疫疾患 層別化する新時代へ
臨床検体のマルチオミクス解析、腸内細菌によって見えてきた免疫経路の全容
破骨細胞分化促進分子および免疫細胞の制御分子として同定され,骨代謝系,免疫系やがんの研究領域に留まらず,心血管系の石灰化制御や体温・発熱の制御,糖尿病,毛髪発育,筋肉制御など,現在,多彩な機能が生体レベルで明らかにされている.RANKL biologyとも言うべき,生体の新たな制御機構を解明する駆動力になっているサイトカインである.(実験医学増刊387より)
疾患に挑むメカノバイオロジー
循環器、運動器、がん、再生・発生に生体内の力はどうかかわるのか
解説は発行当時の掲載内容に基づくものです
本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです