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T細胞の疲弊

Tさいぼうのひへい

T細胞が持続的な抗原刺激を受けることで,エフェクター機能が減弱する現象.慢性ウイルス感染症において発見されたが,がん組織においても,浸潤する抗腫瘍T細胞は持続的な抗原曝露に伴い疲弊状態に陥ることが確認されている.(実験医学2023年11月号より)

キメラ抗原受容体を構成するシグナル伝達配列実験医学2023年11月号

1998年にZajacらがウイルス慢性感染マウスで活性化マーカー陽性でエフェクター作用を示さないCD8T細胞を報告した.その後,同様のT細胞が腫瘍浸潤リンパ球にも見出され,どちらも疲弊(exhaustion)とよばれている.T細胞の疲弊は持続的なTCRシグナルによって誘導され,免疫応答の過剰な活性化を抑制する機構ととらえられている.(実験医学増刊412より)

真の実臨床応用をめざした再生医療2023

リバーストランスレーショナルリサーチのいまと産業化のための技術開発

梅澤明弘/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです