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神経炎症

しんけいえんしょう

“神経炎症(neuroinflammation)”という言葉は多発性硬化症や神経感染症において惹起されるミクログリアの集積や活性化,炎症性因子の放出をさす用語として用いられてきた.近年では,グリア細胞をはじめとする非神経細胞が神経変性疾患の病態に積極的に関与する知見が集積してきていることから,“神経炎症”は非常に注目され,用語として定着した.特にミクログリアの異常活性化や応答異常によって神経傷害性因子の過剰な放出や,神経保護機能の喪失といった神経周囲の環境が毒性転換する現象も“神経炎症”とよばれている一方で,神経保護的な神経炎症も存在する.(実験医学増刊4112より)

いま新薬で加速する神経変性疾患研究

異常タンパク質の構造、凝集のしくみから根本治療の真の標的に迫る

小野賢二郎/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです