ヒトの運動や物理療法の理解に欠かせない物理学.現場でのより良い実践につながるよう,理学・作業療法の臨床に関わる事象を取り上げ,基礎からわかりやすく解説しました.長く役立つ知識を修得したい方におすすめ!
目次
はじめに
第1章 運動の表し方 運動とは何か?
基礎編
1 物理量とその表し方
2 スカラー量とベクトル量
3 運動とは?
■ 物体の位置と座標
■ 変位と速度
■ 加速度
4 さまざまな運動
■ 等速直線運動
■ 等加速度直線運動
■ 重力の下での物体の運動
5 微分・積分と運動
■ 微分の考え方と計算
■ 積分の考え方と計算
column
ベクトルの表し方と合成の計算
微分の表し方
微分と積分の関係
臨床編
1 身体運動における位置・変位・速度・加速度の測定
■ 臨床における身体の位置や運動の表し方
■ 臨床における変位の測定
■ 臨床における速度・加速度の測定
2 関節の運動と極座標による位置の表し方
■ 関節運動の表し方
■ 極座標による運動の表し方
column
躍度
第2章 身体運動と力 力によって運動はどのように変化するか?
基礎編
1 力とは
■ 力の定義
■ 力の3要素
■ 力の合成
2 運動の3法則
■ 慣性の法則(ニュートンの第1法則)
■ 運動方程式(ニュートンの第2法則)
■ 作用反作用の法則(ニュートンの第3法則)
3 さまざまな力
■ 重力
■ 垂直抗力
■ 張力
■ 摩擦力
■ 弾性力
■ 圧力
■ 慣性力
column
近接作用と遠隔作用
粘性
医療現場で用いられる圧力の単位
臨床編
1 身体運動にはたらく種々の力
■ 垂直跳び時にはたらく力
■ 歩行時にはたらく力
2 骨格筋の筋張力特性
■ 骨格筋の構造
■ 骨格筋の筋線維の配列と筋張力の関係
3 腱や骨の力学的特性
4 筋腱複合体の収縮特性
■ 骨格筋の長さ-張力関係
■ 筋腱複合体の張力特性
第3章 力のつりあいと回転運動 並進運動と回転運動の静止と運動を決めるものは?
基礎編
1 並進運動と回転運動
■ 前提条件:物体=剛体
■ 並進運動と回転運動
2 力のモーメントとは
3 力のモーメントのつりあいと回転運動
4 物体の重心と重心の求め方
■ 重心とは
■ 重心の求め方
5 3つのてこ
■ 第1のてこ
■ 第2のてこ
■ 第3のてこ
column
並進運動と回転運動の対応関係
臨床編
1 関節運動のコントロールと力のモーメントのつりあい
■ 関節運動のコントロール
■ 関節間力と力のモーメントのつりあい
2 姿勢と筋活動
3 身体重心の求め方
■ 力のモーメントのつりあいから重心を求める方法
■ 身体部位ごとの重心から推定する方法
column
重心動揺計による足圧中心の計測
第4章 物体の安定性と不安定性 安定性は何によって決まるか?
基礎編
1 物体の安定性
2 支持基底面の大きさと物体の安定性
3 重心の高さと物体の安定性
4 支持基底面の大きさと重心の高さが変化するときの物体の安定性
5 物体の重量と安定性
6 倒れるとは?
column
物体が傾き始める条件
姿勢と安定性
臨床編
1 ヒトの姿勢の安定性
2 ヒトの姿勢の安定性を決める要因
3 姿勢の安定性の調節――身体重心制御と足圧中心制御
■ 身体重心制御
■ 足圧中心制御
4 動作における安定性
■ 慣性力と見かけの重力作用
■ 起き上がり動作の安定性
■ 椅子からの立ち上がり動作の安定性
■ 静的バランスと動的バランス
column
疾患によるバランス低下の特徴
歩行中の床反力の変化
第5章 エネルギーと運動 運動量・仕事・エネルギーとは何か?
基礎編
1 運動量と力積
2 仕事と仕事率
3 運動エネルギー
4 位置エネルギー
5 力学的エネルギー保存の法則
6 力学的エネルギーからみた物体の安定性
7 エネルギー保存の法則
column
仕事の原理
身体運動とパワー
臨床編
1 運動量と動作
2 運動量と角運動量
3 角運動量と動作
4 力学的エネルギーと動作
5 回転運動の仕事および仕事率
第6章 熱の性質と利用 熱とは何か?
基礎編
1 熱と温度
2 セルシウス温度と絶対温度
3 熱量,比熱と熱容量
4 熱の伝わり方
■ 伝導
■ 対流
■ 放射
5 気体の体積,圧力,温度の関係
6 粒子の運動と温度の関係
7 熱力学第一法則
8 熱平衡と熱力学第二法則
column
水分子の形と大きさ
魔法瓶による保温
気体定数Rの単位
不可逆現象と確率
臨床編
1 熱が生体に及ぼす影響
2 温熱療法と寒冷療法の種類と熱伝導
3 生体のエネルギー代謝
4 酸素摂取量とエネルギー代謝
第7章 波の性質と利用 波の性質は何で決まるのか?
基礎編
1 波とは
2 波の性質を決める物理量
3 横波と縦波
4 波の性質
■ 重ね合わせの原理
■ 波の干渉
■ ホイヘンスの原理
■ 波の反射と屈折
■ 波の回折
5 音の性質
■ 音とは
■ 音の3要素
■ 音のドップラー効果
6 光の性質
■ 光とは
■ 物体の色
■ 光の直進性,反射,屈折
column
音圧レベル
光の偏光
臨床編
1 超音波療法の基礎
■ 超音波の作用
■ 超音波の発生
■ 超音波の振動数
■ 超音波の吸収,反射,屈折,干渉
2 光線療法の基礎
■ 光の強さの光源からの距離による変化――逆2乗の法則
■ 光の強さの光線の角度による変化――ランバートの余弦の法則
第8章 電気の性質と利用 電子,イオンの動きと電気
基礎編
1 原子の構造と電気
2 電荷の間にはたらく力 ――クーロンの法則
3 電場
4 点電荷によって生じる電場
5 帯電した1組の金属板の間に生じる電場
6 電位
■ 重力による位置エネルギーと電位
7 電流
8 導体と不導体の性質
■ 導体と不導体
■ 静電誘導と誘電分極
■ 導体内の電場と電圧
■ 誘電体内の電場と電圧
9 オームの法則
10 電力と電気量
■ ジュール熱
■ 電力量と電力
column
静電遮蔽
臨床編
1 電気機器の取り扱い
■ 漏電と感電
■ アース
2 抵抗のはたらきと接続
■ 抵抗のはたらき
■ 抵抗の直列接続
■ 抵抗の並列接続
3 コンデンサーのはたらき
■ コンデンサーに蓄えられる電気量
■ コンデンサーの充電と放電
4 半導体のはたらき
■ P型半導体とN型半導体
■ 半導体ダイオードのはたらき
■ 交流を直流に変換する回路
5 細胞膜の電気的活動
■ 膜電位
6 筋の電気的活動と筋電図
column
可変抵抗器による電流調整
筋電図電極の貼付位置
第9章 磁気の性質と利用 電気と磁気の密接な関係
基礎編
1 磁気とは
2 磁気と電気との相違
3 磁場
4 磁場と磁束密度
5 磁気誘導
6 電流と磁場
■ 直流電流
■ 円形電流
■ ソレノイドを流れる電流
7 運動している電荷が磁場から受ける力
8 電磁誘導と電磁波
column
磁気の正体
右ねじの法則とベクトルの外積
マクスウェル(Maxwell)の方程式
臨床編
1 コイルに生じる電磁誘導
■ 自己誘導
■ 相互誘導
2 コンデンサーとコイルの関係
3 コンデンサーとコイルのフィルター作用
4 物理療法で用いられる電磁波
■ 極超短波による温熱作用
■ 経頭蓋磁気刺激の神経作用
column
変圧器
容量リアクタンス,誘電リアクタンス,インピーダンス
第10章 原子の世界 物理学が描く世界とは?
基礎編
1 物質を構成する微粒子
2 原子の構造
3 原子核の分裂と融合
4 半減期
5 質量がもつエネルギー
6 素粒子の世界
■ クォーク
■ レプトン
■ 反粒子と対消滅・対生成
7 自然界を支配する4つの力
8 宇宙の歴史と生命
9 現代の物理学
column
炭素を用いた年代測定
相対性理論
量子論
臨床編
1 放射線と放射能
2 放射線の単位と人体への影響
3 放射線の医療への応用
付録
公式一覧
索引
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- 【本書名】PT・OT 臨床につながる物理学
- 【出版社名】羊土社
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