スマホで読める実験医学
550円

がんの免疫逃避進化のシミュレーションモデル研究

Computational simulation of cancer immune escape
波江野 洋,佐伯晃一
Hiroshi Haeno/Koichi Saeki:Research Institute for Biomedical Sciences, Tokyo University of Science(東京理科大学生命医科学研究所)
10.18958/7405-00001-0001114-00

生命科学において細胞レベルの膨大なデータが蓄積している現在,生物の複雑な事象を理解するための手段として,数理モデル解析の有用性が高まっている.今回われわれは,腫瘍に突然変異が蓄積するほどネオ抗原がつくられ,がん細胞が免疫細胞の標的にされやすくなる一方,抗原提示分子などに変異が起こる場合には抗原提示が不能となり,免疫細胞の攻撃から逃れやすくなるという突然変異の二面性を考慮して,腫瘍進展の数理モデルを構築した.本稿では,がんの免疫逃避過程を表すシミュレーション,薬剤投与効果のシミュレーション予測,マイクロサテライト不安定性大腸がんにおける多領域DNA-Seq解析データに基づいた免疫逃避進化のシミュレーション解析について紹介する.

マイクロサテライト不安定性大腸がん,がん免疫逃避進化,がん進化モデル,コンピュータシミュレーション,多領域シークエンス解析

この記事は有料記事です

(残り約7,900文字)

  • 【スマホで読める実験医学】がんの免疫逃避進化のシミュレーションモデル研究
    550円