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時系列のマルチオミクス解析による生命現象の理解

Understanding of biological phenomena using multi-omic analysis
久保田浩行
Hiroyuki Kubota:Division of Integrated Omics, Medical Research Center for High Depth Omics, Medical Institute of Bioregulation, Kyushu University(九州大学生体防御医学研究所高深度オミクスサイエンスセンター統合オミクス分野)
10.18958/7405-00001-0001113-00

オミクス測定技術の進歩により,精度のよいデータが取得できるようになってきた.そこで近年,複数種のオミクスデータを用いて生命現象を理解するマルチオミクス解析が複数行われている.すべての生命現象が多階層にまたがるネットワークによって制御されていることを考えれば,これは当然の流れである.しかし,その一方で解析技術は試行錯誤の段階である.時系列データは過去の履歴を反映した情報を内包しており,ある種の制限を課した解析ができる.これまでにわれわれが行ってきた時系列解析の経験から,本稿では,時系列マルチオミクスデータを用いた解析に注目し,研究を紹介したい.

マルチオミクス解析,時系列データ,微分方程式モデル,ネットワーク推定

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