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ホウ素による翻訳制御の新しいしくみ:80SリボソームがmRNA上を滑って移動する

Boric acid intercepts 80S ribosome migration from AUG-stop by stabilizing eRF1
Tanaka M, et al:Nat Chem Biol:doi:10.1038/s41589-023-01513-0, 2024
田中真幸,横山武司,藤原 徹
Mayuki Tanaka1)2)/Takeshi Yokoyama3)4)/Toru Fujiwara2):Osaka Metropolitan University Graduate School of Agriculture1)/Graduate School of Agricultural and Life Sciences, The University of Tokyo2)/Graduate School of Life Sciences, Tohoku University3)/The Advanced Research Center for Innovations in Next-generation Medicine(INGEM),Tohoku University4)〔大阪公立大学大学院農学研究科1)/東京大学大学院農学生命科学研究科2)/東北大学大学院生命科学研究科3)/東北大学未来型医療創成センター(INGEM)4)
10.18958/7495-00003-0001445-00

タンパク質の合成過程(翻訳)を担う装置として知られているリボソームは植物の必須元素であるホウ素の細胞質濃度を感知し,5′UTR上のAUG-stop配列上で停止することによってホウ酸輸送体遺伝子の翻訳を制御する.本論文では停止したリボソームの構造解析や生化学的解析を通じて,80Sリボソーム複合体がmRNAの5′UTR上を滑って移動するプロセスがホウ酸依存的な翻訳制御に重要であることを示した.80Sリボソーム複合体が5′UTR上を滑って移動するプロセスの翻訳制御への関与を初めて示した.

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