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カニクイザルを用いた霊長類の着床期胚発生研究

Exploring primate peri-implantation development in cynomolgus macaques
中村友紀
Tomonori Nakamura1)〜3):HAKUBI Center for Advanced Study, Kyoto University1)/ Institute for the Advanced Study of Human Biology(WPI-ASHBi),Kyoto University2)/ Department of Anatomy and Cell Biology, Graduate School of Medicine, Kyoto University3)(京都大学白眉センター1)/京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点2)/京都大学大学院医学研究科機能微細形態学分野3)
10.18958/7495-00001-0001439-00

ヒト胚は着床を機に三胚葉分化とダイナミックな形態形成を伴う本格的な個体発生を開始するが,倫理的な障壁によりin vivoの知見はきわめて限定的である.近年ヒト胚の体外培養系や,ヒト多能性幹細胞(pluripotent stem cells:PSC)を起点とした再構成胚(blastoid)などin vitroでの胚発生モデルが続々と報告され,着床期のヒト胚発生研究に対する機運が高まっている.これに伴い,in vivoの胚発生研究も可能な非ヒト霊長類(non-human primate:NHP)を用いた研究にも期待が寄せられている.本稿では実験に利用可能なNHPのなかでも最もヒトに近縁なカニクイザルを用いた着床期胚発生研究の現状について紹介する.

カニクイザル,着床期胚発生,再構成胚,多能性(pluripotency),擬似着床培養

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