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ヒト栄養膜幹細胞を用いた初期発生研究

Investigation of human early development using trophoblast stem cells
岡江寛明
Hiroaki Okae:Department of Trophoblast Research, Institute of Molecular Embryology and Genetics(IMEG),Kumamoto University(熊本大学発生医学研究所胎盤発生分野)
10.18958/7495-00001-0001437-00

近年,ヒトの初期発生研究において,胎盤や卵黄嚢などの胚体外組織が大きな注目を集めている.胚体外組織は胎児を構成する細胞系列には寄与しないものの,胎児の発生を支えるためのニッチとして重要な役割を担う.これまで適切な実験モデルが存在しなかったため,ヒトの胚体外組織の研究は非常に困難であった.しかし,幹細胞培養技術の発展に伴い,胚体外組織を試験管内で培養もしくは誘導することが可能になりつつある.本稿では,胎盤の主要な構成細胞である栄養膜細胞の試験管内培養とその活用について最新の知見を紹介する.

栄養膜幹細胞(TS細胞),多能性幹細胞(ES/iPS細胞),ゲノム編集,分化全能性

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