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非統合ヒト胚モデルの最前線

Frontiers of non-integrated human embryo models
大久保 巧,髙島康弘
Takumi Okubo/Yasuhiro Takashima:Department of Life Science Frontiers, CiRA, Kyoto University(京都大学iPS細胞研究所未来生命科学部門)
10.18958/7495-00001-0001436-00

着床期のヒト胚発生は倫理的な問題から研究が困難であり,ブラックボックスである.これまでは,マウスで得られた知見をもとにヒト胚発生は考えられてきた.しかし,ヒトとマウスでは発生様式が異なることが報告されており,ヒト胚を用いた研究の必要性が高まっている.近年,多能性幹細胞から作出される三次元ヒト胚モデルが報告され,ヒト胚を用いずに初期発生を研究できるツールとして期待されている.本稿では三次元ヒト胚モデルのなかでも,胚構造の一部を欠損し,倫理的な制約に縛られにくい非統合型のヒト胚モデルに関連した最新の知見を概説するとともに,われわれの研究内容について紹介したい.

三次元ヒト胚モデル,非統合ヒト胚モデル,ナイーブ型多能性幹細胞,着床期,原始内胚葉

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