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通性化学合成独立栄養好熱細菌における可逆的な始原的TCA回路の発見

A primordial and reversible TCA cycle in a facultatively chemolithoautotrophic thermophile
Nunoura T, et al:Science, 359:559-563, 2018
布浦拓郎,力石嘉人,跡見晴幸
Takuro Nunoura1)/ Yoshito Chikaraishi2)/ Haruyuki Atomi3):Research and Development Center for Marine Biosciences, Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology(JAMSTEC)1)/ Institute of Low Temperature Science, Hokkaido University2)/ Department of Synthetic Chemistry and Biological Chemistry, Graduate School of Engineering, Kyoto University3)(海洋研究開発機構海洋生命理工学研究開発センター1)/北海道大学低温科学研究所同位体物質循環分野2)/京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻生物化学工学分野3)
10.18958/5605-00003-0001541-00

クエン酸を開裂させ,アセチルCoAを合成する反応は吸エルゴン反応である.したがって,TCA回路(tricarboxylic acid 回路;クエン酸回路)が還元方向に働く場合,酸化回路で機能するクエン酸シンターゼの単なる逆反応ではなく,ATPのエネルギーを利用するATPクエン酸リアーゼが機能する必要があるとされてきた.われわれは,この常識に反し,クエン酸シンターゼを含む全く同じ酵素群を使い,利用可能な炭素源に対して回路方向を変化させる可逆的なTCA回路を見出した.

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