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細胞性粘菌と動物から俯瞰する細胞アセンブリの細胞間認証アーキテクチャ

Cell-cell verification architectures underlying multicellular assemblies - an overview from cellular slime molds and animal
澤井 哲,梅津大輝
Satoshi Sawai1)/Daiki Umetsu2):東京大学大学院総合文化研究科1)/大阪大学大学院理学研究科2)
10.18958/7691-00001-0001882-00

本稿では,動物の神経細胞や上皮細胞,さらには細胞性粘菌の細胞アセンブリに関与する細胞間認識分子の構造的特徴を概観し,進化的視点から多細胞体制の形成における細胞間認証アーキテクチャの共通性をみる.動物では,神経ワイヤリングや上皮細胞の境界形成において,細胞外ドメインにIg様,EGF様,LRRドメインをもつタンパク質が機能し,適切な細胞間認識,すなわち「細胞間認証」を実現している.細胞性粘菌でもこれらのドメインをもつ膜タンパク質が細胞間認識と集合塊形成を担っている.これらの分子アーキテクチャが果たす役割について,協力行動や利他行動の進化のロジックから考察する.

神経ワイヤリング,上皮組織境界形成,細胞性粘菌,ドメインアーキテクチャ

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