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人工オーガナイザーが拓く初期胚発生モデルの可能性

Synthetic organizer unlocks new potential of early embryogenesis models
山田俊理
Toshimichi Yamada:カリフォルニア大学サンフランシスコ校
10.18958/7691-00001-0001877-00

幹細胞を用いて哺乳類の初期胚発生を体外で再構築するモデルが近年注目されている.本稿では,胚発生を指揮する「オーガナイザー」の概念をもとに人工的に設計された人工オーガナイザーを活用し,初期胚モデル内でシグナルを時間的・空間的に制御する手法を紹介する.WNT3AやDKK1を分泌する人工オーガナイザーは,マウス初期胚モデル内に任意のWNTシグナル濃度勾配を形成し,体軸形成と細胞分化を自在に誘導できる.このアプローチは,従来の体外モデルの限界を克服し,発生生物学の新たな道を切り開くだけでなく,創薬や再生医療への応用が期待される.

人工オーガナイザー,シグナル濃度勾配,初期胚モデル,合成生物学

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