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皮膚常在細菌を用いた炎症性皮膚疾患治療の進捗

Current progress of bacteriotherapies utilizing commensal microbes for inflammatory skin disorders
仲辻晃明
Teruaki Nakatsuji:Department of Dermatology, University of California, San Diego(カリフォルニア大学サンディエゴ校皮膚科)
10.18958/7189-00001-0000371-00

アトピー性皮膚炎の皮膚では,同疾患の重要な病態増悪因子である黄色ブドウ球菌が高頻度に定着している.そのため,アトピー性皮膚炎の治療には抗菌薬がたびたび用いられるが,その効果は一般に乏しく,同菌を標的とした効果的な治療は確立されていないのが現状である.われわれは,黄色ブドウ球菌に対して殺菌作用および毒素抑制作用を有するヒト皮膚常在細菌株を用いたアトピー性皮膚炎のための細菌移植療法を開発した.本稿では,その着想および開発に至った経緯,そして臨床応用への展望について,基礎研究と第Ⅰ相二重盲検ランダム化比較試験の結果を含めて紹介する.

アトピー性皮膚炎,抗菌ペプチド,細菌移植療法,皮膚常在細菌

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