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ウイルスから獲得した遺伝子により哺乳類は何を得たのか:偶然から必然へ

What have mammals gained from virus-derived acquired genes? -from Chance Event to Necessity-
金児-石野知子
Tomoko Kaneko-Ishino:Tokai University School of Medicine(東海大学医学部)
10.18958/7323-00001-0000566-00

ヒトを含む哺乳類のゲノムには共通祖先が獲得したレトロウイルス由来の遺伝子が存在する.哺乳類特異的エピジェネティック機構であるゲノムインプリンティングの研究から発見したウイルス由来の遺伝子PEG10RTL1/PEG11は胎盤の形成,機能維持に必須の機能を果たしている.これらを含むRTL/SIRH遺伝子群は,胎盤だけでなく脳機能にも重要であり,進化上“哺乳類らしさ”の形成に重要な役割を果たしたと考えられる.本稿では,RTL/SIRH遺伝子群の発見の経緯を振り返りつつ,脳のミクログリアで発現し,細菌やウイルスの排除にかかわるRTL6/SIRH3RTL5/SIRH8について紹介する.

ウイルス由来遺伝子,哺乳類特異的遺伝子,RTL/SIRH遺伝子,自然免疫,ミクログリア

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