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中枢神経におけるかゆみの知覚メカニズム

Central Neuronal Mechanisms of Itch
穐山 祐
Tasuku Akiyama:Department of Dermatology and Cutaneous Surgery, University of Miami Millar School of Medicine(マイアミ大学ミラー医学部皮膚科)
10.18958/6739-00001-0000675-00

かゆみの感覚情報は一次求心性線維により脊髄後角に伝達される.脊髄後角には多様な介在ニューロンが存在し,かゆみの感覚情報を処理している.脊髄で処理されたかゆみ感覚情報は投射ニューロンを介して,視床や傍小脳脚核(ぼうしょうのうきゃくかく)などの脳部位に伝えられる.脳ではかゆみが感覚として認知されるだけでなく,情動,報酬にかかわる脳部位により,かゆみに伴う不安やストレス,掻くことによる快感が引き起こされる.また中脳水道周囲灰白質(ちゅうのうすいどうしゅういかいはくしつ)は下行性経路を介して脊髄でのかゆみ感覚情報処理を制御している.本稿ではかゆみにかかわる中枢神経について,最近の研究成果を中心に紹介する.

GRPR,かゆみと痛み,扁桃体,腹側被蓋野

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