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かゆみメディエーターとイッチ・スクラッチ・サイクル

Itch mediators and itch-scratch cycle
冨永光俊,髙森建二
Mitsutoshi Tominaga1)2)/Kenji Takamori1)〜3):Juntendo Itch Research Center(JIRC),Institute for Environmental and Gender Specific Medicine, Juntendo University Graduate School of Medicine1)/Anti-Aging Skin Research Laboratory, Juntendo University Graduate School of Medicine2)/Department of Dermatology, Juntendo University Urayasu Hospital3)(順天堂大学大学院医学研究科環境医学研究所・順天堂かゆみ研究センター(JIRC)1)/順天堂大学大学院医学研究科抗加齢皮膚医学研究講座2)/順天堂大学医学部附属浦安病院皮膚科3)
10.18958/6739-00001-0000672-00

かゆみは誰しもが経験する日常的な感覚であるが,その発現メカニズムは多様で複雑である.その要因には,かゆみを引き起こすメディエーターが数多く存在することや,病態時には生体内でかゆみを増強するモジュレーターも産生されることがあげられる.これらが同時に存在すると,激しいかゆみや持続的なかゆみが発生することになり,既存の治療法では効果が不十分なかゆみ(難治性かゆみ)へと進行する.本稿では末梢(皮膚)におけるかゆみのメディエーター,モジュレーター,それらが相まって引き起こる「イッチ・スクラッチ・サイクル〔かゆみと掻破(そうは)の悪循環〕」について紹介する.

感覚神経,皮膚バリア,炎症性細胞,掻破

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