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皮膚における感覚神経サブセットの分布とかゆみ

Cutaneous distribution of sensory nerve subsets and its relevance to itch
岡田峰陽
Takaharu Okada:Lab for Tissue Dynamics, RIKEN Center for Integrative Medical Sciences/Graduate Schoold of Medical Life Science, Yokohama City University(理化学研究所生命医科学研究センター組織動態研究チーム/横浜市立大学大学院生命医科学研究科)
10.18958/6739-00001-0000673-00

かゆみのメカニズムにはいまだ謎が多いが,皮膚の一次感覚神経については,一細胞トランスクリプトーム解析の発展により,分子レベルでの多様性が明らかにされつつある.かゆみにかかわると考えられる一次感覚神経サブセットも複数見つかっており,ヒスタミン等の古典的な起痒物質(かゆみメディエーター)の受容体だけでなく,かゆみにかかわる免疫系サイトカインの受容体などを発現するサブセットも見出されている.一方,これらの一次感覚神経サブセットが皮膚組織内にどのように分布しているか,そしてその分布がどのようにかゆみに関係するかについては,まだ解明の途上である.今後,かゆみにかかわると考えられる複数の一次感覚神経サブセットの機能と,それぞれが分布する組織内微小環境がどのようにリンクしているのかを理解することで,かゆみを制御する戦略が成熟していくと期待される.

一次感覚神経,起痒物質受容体,サイトカイン,表皮バリア,タイトジャンクション

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