実験医学増刊 Vol.30 No.20

感染・共生・生体防御システム

ウイルス・細菌と宿主のクロストークからワクチン開発を始めとする予防戦略まで

  • 笹川千尋,柳 雄介,大野博司,石井 健/編
  • 2012年12月05日発行
  • B5判
  • 222ページ
  • ISBN 978-4-7581-0327-5
  • 5,940(本体5,400円+税)
  • 在庫:なし
実験医学誌 定期購読のご案内
PDFダウンロード

宿主・共生細菌・病原微生物を1つのシステムとして捉え,バイオロジーから予防治療戦略までを丸ごとまとめた最新レビュー集.マイクロバイオーム,腸内フローラ,粘膜ワクチンなど,今注目を集める研究を完全網羅!

目次

本書を読む前に 細菌の正しい日本語でのよび方【大野博司/中込 治】

第1章 感染のバイオロジー ~ウイルス・細菌~

概論 ウイルス・細菌と生体防御機構の攻防【柳 雄介/笹川千尋】

  • 宿主によるウイルス・細菌の認識と応答
  • ウイルスと宿主防御機構の相互作用
  • 細菌と宿主防御機構の相互作用
  • ウイルス・細菌感染に対する常在細菌の役割

1. ウイルスセンサーによるRNA認識とシグナル活性化の分子メカニズム【尾野本浩司/米山光俊】

  • ウイルス感染センサーTLRとRLR
  • RLRのウイルス認識のメカニズム
  • RLRシグナル伝達機構

2. HIVと内因性防御機構の攻防【高折晃史】

  • A3GとVif
  • その他の抑制性因子

3. 麻疹ウイルスの宿主防御抑制機構【大野真治/柳 雄介】

  • 麻疹ウイルスの受容体と標的細胞
  • 麻疹ウイルスによる自然免疫抑制
  • 麻疹ウイルスによる獲得免疫抑制

4. ヘルペスウイルスによるリン酸化を介した宿主機能制御【川口 寧】

  • HSVの細胞侵入過程におけるリン酸化による宿主機能制御
  • HSVがコードするプロテインキナーゼによる宿主機能制御

5. サルモネラの炎症誘導と定着戦略─Salmonella Typhimurium(ネズミチフス菌)による腸感染【三木剛志/Wolf-Dietrich Hardt】

  • サルモネラの腸炎誘導メカニズム
  • サルモネラにより誘導される粘膜免疫反応─サイトカイン/ケモカインは初期の炎症誘発性刺激を増大させる
  • 炎症を巧みに利用したサルモネラの感染および定着戦略─ミクロビオータを打ち負かすための“生態系の再設計”

6. 赤痢菌による自然免疫克服戦略【芦田 浩/真田貴人/笹川千尋】

  • 赤痢菌感染に対する自然免疫応答
  • 赤痢菌による自然免疫克服戦略

7. 腸管感染における病原細菌と常在細菌の攻防【鎌田信彦/Gabriel Nunez】

  • 腸内常在菌の役割─benefit or risk?─
  • 腸内常在菌は感染防御に重要な役割をはたしている
  • 病原性大腸菌排除に腸内常在菌は必須である
  • 病原細菌の病原因子発現は感染の段階により変化する
  • 病原細菌の腸管内局在が常在細菌との攻防の明暗を分ける
  • 細菌の糖代謝能が腸内常在細菌の病原細菌との競合能を規定している

8. 腸内細菌によるインフルエンザウイルス特異的粘膜免疫応答の制御【一戸猛志】

  • Abxマウスにおけるインフルエンザウイルス特異的免疫応答の低下
  • Abxマウスにおける免疫応答の低下はインフルエンザウイルスに特異的か?
  • 腸内細菌によるインフルエンザウイルス特異的免疫応答の制御メカニズム
  • neomycin感受性細菌の重要性
  • 腸内細菌は肺での未成熟型サイトカイン(pro IL-1β/IL-18)の誘導を増加させている
  • インフラマソーム活性化による獲得免疫応答の制御メカニズム

第2章 共生のバイオロジー

概論 超生命体のエコシステム─宿主-共生細菌叢クロストークのバイオロジー【大野博司】

  • 網羅的解析技術による共生細菌叢の研究
  • 腸エコシステムと免疫系
  • プロバイオティクスとしての共生細菌
  • 皮膚と常在共生菌叢

1. ヒト常在菌叢マイクロバイオーム研究【服部正平】

  • 細菌叢解析技術
  • ヒト常在菌叢の全体像
  • ヒト腸内細菌叢の遺伝子数
  • 腸内細菌叢と疾患

2. 統合オミクスによる腸エコシステムの理解【福田真嗣/大野博司】

  • 腸内共生細菌と生体応答
  • メタボロミクスによる腸エコシステム研究
  • メタボロミクスに用いる分析装置
  • 食事と腸エコシステム

3. 腸内常在菌と宿主腸管免疫系【田之上 大/本田賢也】

  • Th17細胞
  • SFBによるTh17細胞の誘導
  • Treg細胞
  • 腸内常在菌によるTreg細胞の誘導

4. 腸管IgAの産生メカニズムと腸内細菌制御【河本新平/Sidonia Fagarasan】

  • 腸管IgAの産生機構
  • パイエル板のTfh細胞の特殊性とその機能
  • 腸管IgAが宿主に与える影響

5. プロバイオティクス─宿主に有益な生きた微生物【今岡明美/梅﨑良則】

  • プロバイオティクスの背景
  • プロバイオティクスの働きとその評価
  • プロバイオティクスへの期待と現状

6. 皮膚・鼻腔における宿主-病原性細菌-常在細菌間の相互作用【岩瀬忠行/水之江義充】

  • 黄色ブドウ球菌の保菌率規定の要因
  • 細菌間干渉による黄色ブドウ球菌定着阻害の可能性
  • 表皮ブドウ球菌による干渉の検討

第3章 宿主の生体防御・免疫

概論 宿主の生体バリア─腸管,肺,皮膚における新たな免疫細胞とその機能【石井 健】

  • 腸管粘膜固有層における生体防御
  • 肺・皮膚の生体防御
  • 腸管の寄生虫に対する防御

1. 腸管粘膜における制御性ミエロイド細胞【香山尚子/竹田 潔】

  • 制御性ミエロイド細胞(Mreg細胞)の発見
  • Mreg細胞によるT細胞増殖抑制機構
  • 炎症性腸疾患発症におけるMreg細胞の関与

2. M細胞の機能と分化,腸管免疫系における位置づけ【金谷高史/長谷耕二/大野博司】

  • M細胞の特徴
  • M細胞特異的分子とその役割
  • M細胞分化とその誘導因子
  • M細胞におけるEtsファミリー転写因子Spi-Bの発現
  • Spi-B欠損マウスにおけるM細胞の欠失とその腸管免疫応答における影響

3. 肺におけるインバリアントNKT細胞による糖脂質抗原認識と細菌感染防御【金城雄樹】

  • 肺炎球菌感染防御におけるインバリアントNKT細胞の役割
  • インバリアントNKT細胞による細菌糖脂質の認識
  • X線結晶構造解析による抗原結合様式の解明
  • 想定されるインバリアントNKT細胞による肺炎球菌感染防御機序

4. 皮膚免疫システムと常在細菌の相互作用研究【中溝 聡/椛島健治】

  • 皮膚常在菌のプロファイルと皮膚への影響
  • 皮膚常在細菌と皮膚の恒常性維持
  • 皮膚常在菌の異常と皮膚疾患
  • 皮膚のIL-17産生細胞
  • 皮膚におけるTh17細胞の分化誘導

5. 寄生虫感染と宿主粘膜免疫の攻防におけるIL-33とⅡ型自然リンパ系細胞の役割【安田好文】

  • 寄生虫の感染とTh2型免疫応答
  • 粘膜免疫の効果機構
  • IL-33とST2
  • Ⅱ型自然リンパ系細胞(typeⅡinnate lymphoid cells)
  • 好酸球性炎症誘導機序
  • 生体防御におけるIL-33の役割

第4章 予防・治療へ向けて

概論 感染・共生・生体防御研究から生まれる新たな疾患予防,治療法ターゲット【石井 健】

  • 炎症・細胞死研究の新たな創薬ターゲット
  • ワクチンサイエンスの新展開
  • 細胞外微粒子のバイオロジーと臨床応用

1. RIPキナーゼを介した細胞死─敗血症治療の新たなターゲット【高橋のぞみ/Peter Vandenabeele】

  • RIPキナーゼを介した細胞死
  • ネクロトーシスが関与する生理的機能・疾患および病理
  • RIPキナーゼ依存性の細胞死形態と敗血症

2. 酸化ミトコンドリアDNA─新たな核酸免疫認識機構とその臨床応用の可能性【島田賢一】

  • ミトコンドリアの機能低下がIL-1β分泌を促す
  • アポトーシスがNLRP3インフラマソームを活性化する
  • 酸化ミトコンドリアDNAによるNLRP3インフラマソームの誘導
  • ダメージヌクレオシドによる臨床応用の可能性

3. 実用化ステージとなった粘膜ワクチンの今後に向けた新展開【國澤 純/清野 宏】

  • 粘膜ワクチンの利点
  • 粘膜ワクチンにおける実効免疫細胞・分子群
  • 粘膜組織における獲得免疫誘導経路
  • 実用化されている粘膜ワクチン
  • 安全性,かつ有効性の高い粘膜ワクチンの開発に向けた課題
  • 粘膜ワクチンの感染症以外への展開 7.粘膜ワクチンの新展開に向けた今後の展望

4. mTORをターゲットとしたワクチン,免疫療法【荒木幸一】

  • 樹状細胞とmTOR
  • CD8 T細胞応答とmTORシグナル
  • CD4 T細胞とmTORシグナル
  • B細胞応答とmTORシグナル

5. 粒子アジュバントのメカニズム【黒田悦史】

  • アジュバント活性をもつ粒子状物質とその特性
  • アジュバントと自然免疫
  • 粒子アジュバントによる免疫活性化のメカニズム

6. 細胞外核酸の生物学的意義と臨床応用【城内 直/石井 健】

  • 細胞外核酸の種類とその由来
  • 細胞外核酸の生物学的機能
  • 細胞外核酸の認識機構
  • 細胞外核酸の臨床応用

本誌に掲載された企業広告をご紹介します.

掲載広告一覧

東京化成工業(株)  [後付2]詳細
和光純薬工業(株)  [表3]詳細
バイオ・ラッド ラボラトリーズ(株)  [表4]詳細
広告代理店
株式会社エー・イー企画
〒101-0003 東京都千代田区一ツ橋2-4-4 岩波書店一ツ橋別館4F
TEL 03(3230)2744(代表)/ FAX 03(3230)2479
E-mail:adinfo@aeplan.co.jp URL:http://www.aeplan.co.jp/

購入方法・送料について

本書は全国の羊土社取扱書店にてご購入いただけます.店頭にて見当たらない場合は,下記情報を書店にお伝え下さい.

  • 【本書名】実験医学増刊:感染・共生・生体防御システム〜ウイルス・細菌と宿主のクロストークからワクチン開発を始めとする予防戦略まで
  • 【出版社名】羊土社

お近くに取扱書店が無い場合,特に海外でご覧になりたい場合,羊土社HPでのご注文および発送も承っておりますので,下記ご参照のうえ,注文をご検討ください.

羊土社HPでのご注文について

本書を羊土社HPにてご購入いただきますと,本体価格に加えて,送付先・お支払い方法などにより下記の費用がかかります.お手続き等詳細は書籍購入案内のページをご参照ください.

分類 項目 費用
国内 消費税 +540円
送料 0円(5,000円以上,国内送料無料)
手数料(代引きのみ) +300円
海外 航空便送料 第1地帯(アジア、グアム、ミッドウェイ等) +890円
第2地帯(オセアニア、中近東、北米、中米) +1140円
第2地帯(ヨーロッパ) +1140円
第3地帯(アフリカ、南米) +1490円
EMS便送料 第1地帯(アジア、グアム、ミッドウェイ等) +1540円
第2地帯(オセアニア、中近東、北米、中米) +2180円
第2地帯(ヨーロッパ) +2400円
第3地帯(アフリカ、南米) +2740円

※この表は本書のみご購入いただいた場合の費用をまとめたものです.他の書籍を同時に購入する場合はお申し込み金額や重量により費用が異なってまいりますのでご注意ください.

海外でご活躍中の皆さまへ 書籍のご購入方法,電子書籍,そのほか役立つ情報をご案内します

法人向け 購入のお問い合わせ

法人での書籍の一括購入につきまして,「見積書や請求書払い」「複数の発送先への対応」「研修用などで使用する書籍の選定についてのアドバイス」等、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。

こちらの書籍もお勧めいたします

  • 9784758122771
  • 9784758104234
  • 9784758122146
  • 9784758125864
  • 9784758104227
  • 9784758125840
  • 9784758104203

本書が販売されている主な電子書店をご紹介いたします

電子版を購入する

サイドメニュー開く