実験医学 1995年1月号 Vol.13 No.1

p53とCdk阻害蛋白質

今月は，p53作用機構解明に焦点をあて，特集いたしました．これは，p53のターゲットとCdk阻害蛋白質を探すという両方向から掘り進められた結果，大きく前進している研究です．ご企画は，国立がんセンターの田矢洋一先生にお願いいたしました．

特集

p53とCdk阻害蛋白質

企画／田矢洋一

＜序にかえて＞Cdk阻害蛋白質が結ぶp53とRB蛋白質【田矢洋一】

１．p53の生理機能

p53の機能ドメインと遺伝子変異【石井（堤）裕子／土田信夫】

p53によって誘導される増殖抑制遺伝子p21（waf1／cip1）【時野隆至】

ヒト・パピローマウイルスによるp53の分解【神田忠仁／緒方敏彦】

遺伝子組換えマウスとp53の機能【加藤満雄】

p53によるアポトーシスの誘導【高橋　玲／稲垣俊郎】

p53によるRB遺伝子の発現制御【酒井敏行】

２．p53阻害蛋白質による細胞周期の制御

Cdkインヒビターp21によるDNA複製の阻害【和賀　祥】

p16／CDKN2−細胞分裂のブレーキ故障は癌の一因【登　勉】

p27−p21とファミリーを形成するG1サイクリン／Cdk阻害蛋白【豊島秀男】

酵母のCdkインヒビター【小川暢男／荒木弘之】

CURRENT TOPICS

CD4遺伝子発現をコントロールするサイレンサー【澤田新一郎】

エンドサイトーシスを制御するsmall GTPase，Rab5【堀内久徳】

ジーンターゲティングの新しい戦略−コンディショナルジーンターゲテイング法−【柴田浩行／野田哲生】

CTGリピートを非翻訳領域にもつ筋緊張性ジストロフィー【石浦章一／笹川　昇／反町洋之／鈴木紘一】

クローズアップ実験法

Non-RI DNAハイブリダイゼーション−アルカリホスファターゼ標識オリゴプローブを用いて【井上雅文／酒井正春】

注目されるシグナル伝達因子＜核内因子ハイライト＞

サイクリンD【松七五三仁】

Cdc10p【野島　博】

CAK（cdk活性化キナーゼ）【山下正兼】

ラボレポート

人間，タフでなければ…−当世ポスドク事情＜Fred Hutchinson Cancer Research Center＞【今本　公】

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