例年のように9月1日から，来年度（平成27年度）の科研費応募がはじまった．今年はごくわずかな追加や変更があるだけで，ほぼ昨年度と同じ応募内容である．申請書のフォーマットの変更もない．平成27年度の特徴としては，次の４つである．

１．基盤研究（B・C）審査区分「特設分野研究」に新たに3分野が設けられた

「特設分野研究」は，審査希望分野の分類表である「系・分野・分科・細目表」とは別に平成26年度公募より新たに設けられた審査区分であり，最新の学術動向などを踏まえて，新しい学術の芽を出そうとする目的で設定された．
平成27年度公募では，平成26年度公募で設定された分野に加えて新たに以下の3分野が設定されている．

• 紛争研究
• 遷移状態制御
• 構成的システム生物学

２．「系・分野・分科・細目表」の一部が変更された

変更されたのは，時限付き分科細目「統合栄養科学」について，分野「複合領域」，分科「生活科学」，細目「食生活学」に分割Bとして追加された．

３．基盤研究（A・B）審査区分「海外学術調査」の理工の審査希望分野が一部変更された

あまり大きな変更ではないので，この分野に応募する人は自分の目で詳細を確認して欲しい．

４．新学術領域研究において，平成24年度に設定された22領域と平成26年度に設定された19領域の公募が行われる

自分の研究領域に合致する公募があれば，ぜひトライして欲しい．新学術領域研究の公募説明は文部科学省のホームページにある．

平成26年度の科研費応募・採択データによると，基盤研究と挑戦的萌芽研究で応募者数がかなり増加している．平成27年度も応募者が増加することが予想されるので，ぜひ申請書作成に時間をかけて，来春の採択をめざして欲しい．

参考情報

• 日本学術振興会「H27年度公募について」のページ
• 文部科学省「平成27年度科学研究費助成事業‐科研費‐（新学術領域研究、特別研究促進費）の公募について」のページ

本書関連項目

• 1章-6.科研費の現状について（P34）