「速報」では常に変更している科研費の制度に関して,本書の内容から更新された情報を児島先生に随時紹介していただきます.
平成27年度より国際共同研究加速基金が設置され,『国際共同研究強化』『国際活動支援班』『帰国発展研究(平成27年8月時点では詳細は未発表)』の3つの研究種目がスタートした.
このうち『国際共同研究強化』は「科研費に採択された研究者が,半年から1年程度海外の大学や研究機関で行う国際共同研究」を支援するために設けられた.「科研費に採択された研究者」とは,『基盤研究(海外学術調査を除く)』または『若手研究』に採択された研究者であり,すでに採択されている研究計画を格段に進展させることが期待されるものが400件程度選ばれる.しかしこの『国際共同研究強化』には,応募年度の4月1日現在で36歳以上45歳以下のものと年齢制限が付く.研究費は「渡航費・滞在費」「研究費」「代替要員確保のための経費」のそれぞれについて400万円が上限で,合計1,200万円以下である.
『国際活動支援班』は新学術領域研究における国際活動への支援として,新学術領域研究の領域代表者が応募できる.
また『帰国発展研究』は,海外にいる日本人研究者が,帰国後に予定される研究を支援するために設けられている.
なお平成27年度の『国際共同研究強化』の応募締め切りは9月28日(月曜日)午後4時30分、『国際活動支援班』の締め切りは8月24日(月曜日)午後5時15分である。国際共同研究を加速させるための,この基金の今後に期待したい.
児島将康/著
定価 3,800円+税, 2015年8月発行