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ハプロ不全

はぷろふぜん

二倍体生物がもつ一対の遺伝子のうちの1つに突然変異が起こっても,ほとんどの遺伝子ではもう一方の野生型遺伝子からつくられるタンパク質で不足分をまかなえるため,突然変異は潜性になる.しかし,例外的に野生型遺伝子1つからつくられるタンパク質で量が不足する場合には,全体として機能が不全になって突然変異に起因する表現型がみられる.このような現象がハプロ不全である.(実験医学増刊417より)

ポストGWAS時代の遺伝統計学

オミクス解析と機械学習でヒト疾患を俯瞰する

岡田随象/編

ヒトやマウスにおいては,2つのアレル(対立遺伝子)のうち一方のアレル上の遺伝子が遺伝子変異(リピートも含まれる)により十分に発現できないとき,野生型(正常)アレルからの遺伝子発現が増加してそれを補う.しかし野生型アレルからの遺伝子発現のみでは不足分を十分に代償できない場合にはRNAやタンパク質の発現量不足による機能不全が現れる.このような現象をハプロ不全とよぶ.(実験医学2020年8月号より)

RAN翻訳とC9orf72-FTLD/ALS病態実験医学2020年8月号

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです