実験医学 キーワード集 検索へ行くボタン

ニューラルネットワーク

にゅーらるねっとわーく

画像処理という観点でニューラルネットワークの学習過程をきわめて単純化して説明してみよう(図5).左側の入力画像(一次元で中央が明るい)を二値化し,中央の1画素だけ白くするような輝度閾値ネットワークを考える.入力画像の画素からはそれぞれ中間のレイヤにある3つのノードに向かって3本のエッジでつながれている.このエッジは画素値に何らかの重み付けを行い,中間レイヤのノードに値を出力する.中間のノードは5つの入力値に基づき,神経細胞の発火に相当する計算を行った後,右側の出力画像の画素それぞれに値を重み付けを行いながら出力する.この重み付けは通常wx+bという単純な関数で,xが入力値となる.左の入力画像に対して右の出力画像を結果するように,この重み付けの関数の係数wとbの値をエッジごとに調整すれば,このネットワークは同じような画像に対して同じような結果を生み出すことが期待される.このような効果をもつwとbの値は,さまざまな値の組合わせを試行し,期待される二値画像とどれだけ似通っているか,ということを指標にしてベストな組合わせを選ぶ.この試行を手当りしだいではなく計算を効率化するために,最適化の手法である勾配降下法を使う.さらに,期待される出力画像(この場合は二値画像)から逆に中間レイヤの値,中間レイヤから入力画像へと逆にたどることで勾配降下法の計算を効率化することができる.これを逆伝搬法(back propagation)という.ニューラルネットワークでは鍵となる手法である.こうして係数を塩梅よく調整した結果が「訓練されたネットワーク」となる.(実験医学増刊3820より)

機械学習を生命科学に使う!

シークエンスや画像データをどう解析し、新たな生物学的発見につなげるか?

小林徹也,杉村 薫,舟橋 啓/編

脳内にある神経細胞(ニューロン)とそのつながりを単純化して,数理的なモデルで表現したもの.(実験医学2019年10月号より)

病理学と人工知能―信頼されるAI技術へ実験医学2019年10月号

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです