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呼吸鎖複合体

こきゅうさふくごうたい

好気的呼吸のエネルギー産生の場であるミトコンドリア内膜に存在し,酸化還元反応によるATP産生を行う酵素群のこと.呼吸鎖複合体Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳまで存在し,ATP合成酵素を呼吸鎖複合体Ⅴとすることもある.(実験医学増刊415より)

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柳 茂,三牧正和/編

酸化的リン酸化(oxidative phosphorylation:OXPHOS)によるミトコンドリアのATP合成を支えるミトコンドリア内膜に存在する複合体.呼吸鎖複合体Ⅰ〜Ⅳによる水素イオン濃度勾配の形成と,それを使ってATPを合成する呼吸鎖複合体Ⅴにより成り立つ.呼吸鎖複合体Ⅰ〜Ⅳによる電子伝達系は補酵素であるNADHやFADH2を酸化し,電子を複合体Ⅳへと伝達し,複合体Ⅳは酸素を水へと還元する.この過程でそれぞれの複合体は,水素イオンをマトリクス(ミトコンドリア内膜の内側)から,膜間部(内膜と外膜の間)へと汲み上げる.呼吸鎖複合体ⅤはATP合成酵素であり,膜間部に蓄積している水素イオンがこの複合体のなかを通過してマトリクスへ移動する際に,ATP合成酵素の頭部が回転し,ADPと無機リン酸(Pi)からATPを合成する.(実験医学増刊415より)

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解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです