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【スマホで読める実験医学】RNA修飾の変動と生命現象
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RNA修飾はRNAが正しく機能するうえで欠かせない質的な情報である.現在までに,140種類を超えるRNA修飾がさまざまな生物種から見つかっている.歴史的には,tRNA,rRNA,核内低分子RNAなどのRNAを中心にRNA修飾の研究がなされてきたが,次世代シークエンサーの利用に相まって,mRNAやさまざまなnon-coding RNAにも修飾が見つかり,最近は「エピトランスクリプトーム」とよばれ,転写後段階における新しい遺伝子発現制御機構として,生命科学に大きな潮流を生み出している.RNA修飾がタンパク質のリン酸化修飾のようにダイナミックに変動し,RNAの機能を調節するかについては,多くの議論があるもののきちんとした結論が得られていない.われわれは,細胞がRNA修飾の基質であるメタボライドの濃度を感知することで,修飾率がダイナミックに変動する現象を捉えた.また,RNA修飾の欠損が疾患の原因になることも明らかになりつつあり,「RNA修飾病」という概念が生まれつつある.本稿では,われわれのtRNA修飾に関する最近の研究成果を中心に,tRNA修飾の変動が遺伝子発現や生命現象にどのようにかかわっているかについて考察する.
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