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感染刺激により活性化された好中球は,病原微生物を貪食した後ミエロペルオキシダーゼ(MPO)等の細胞質内抗菌タンパク質と核DNAを混合し,これらを細胞外に放出して細胞死に至る.このときに放出される細胞質内タンパク質とDNAを好中球細胞トラップ(neutrophil extracellular traps,NETs)と呼び,NETsを形成するような好中球の細胞死はNETosisと呼ばれる.過剰なNETosisは自己抗体の産生につながることから,関節リウマチなどの自己免疫疾患とNETsの関連についての知見が数多く報告されている.(実験医学2021年10月号より)

関節リウマチにおける口腔–腸内細菌連関実験医学2021年10月号

好中球は菌体成分などによって活性化されると,核膜・細胞膜が崩壊して網目状のクロマチン線維を放出する.これはNETsとよばれ,その粘性によって周囲の病原体を捕捉するだけでなく,NETsの構成成分である顆粒タンパク質やヒストンなどによって殺菌にも働く自然免疫機構である.アポトーシスやネクローシスと異なるプログラム細胞死としてNETosisという用語が用いられる.同様の細胞外トラップを形成する細胞死は他の免疫細胞にも認められることから,総称してETosis(extracellular trap cell death)とよぶ.(実験医学増刊3710より)

新時代が始まったアレルギー疾患研究

疾患多様性を理解し病態の層別化に基づく治療を実現する

松本健治,山本一彦/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

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