ダブレット

だぶれっと

1細胞解析では,バーコード(もしくはバーコード群)が単一の細胞に紐付けられるが,複数の細胞が同じバーコードに紐付けられたものをダブレットとよぶ.ダブレットは複数の細胞種が混じり合ったパターンをもつことがあるため,細胞種のアノテーションやクラスタリングの精度を低下させる可能性がある.先行研究では10%を超える“細胞のダブレット”が検出されたり,逆に単一の核を保持するドロップレット内で13〜21%のバーコードが“他のバーコードと混在するダブレット”状態になっていたケースが報告されていた.こうした問題を解決するために,核ではなく膜透過処理を施した細胞を用いたり,効率的な断片化を行うトランスポゼースの利用,トランスポゼースが挿入するバーコード自体に多様性をもたせるといった,実験的なテクニックによりダブレットを分離する試みがなされている.また,Scurbletに代表される計算機的なダブレットの予測も,クラスタリングの結果が不明瞭だった場合などに細胞のフィルタリング手法の選択肢の1つとなる.(実験医学増刊4115より)

マルチオミクス データ駆動時代の疾患研究

がん、老化、生活習慣病 最新のオミクス統合で挑む標的探索と病態解明

大澤 毅/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです

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