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繊毛のアンテナ機能を保証するコンパートメント化メカニズム

Compartmentalization mechanisms ensuring the antenna function of cilia
高尾大輔
Daisuke Takao:National Institute of Genetics, Division of Centrosome Biology1)/The University of Tokyo, Department of Pharmaceutical Sciences2)〔国立遺伝学研究所中心体生物学研究部門1)/東京大学大学院薬学系研究科生理化学教室(2018年4月より)2)
10.18958/5577-00001-0001503-00

繊毛基部でタンパク質の出入りを制御するゲートメカニズムと繊毛内の能動輸送メカニズムにより,繊毛機能に必要なタンパク質は適切に配置される.繊毛基部の幾何学的構造や繊毛内輸送プロセスの存在は古くから知られていたが,近年はシグナル伝達や繊毛病の観点からもその重要性が注目され,多くの知見が得られてきた.一方,アンテナである繊毛と細胞内のシステムとをうまく連携してシグナルを伝達する包括的なメカニズムの理解など,重要な課題も残されている.繊毛をただの突起ではない機能的コンパートメントに仕立て上げるメカニズムとは? 筆者が興味を掻き立てられるこの疑問に焦点を当て,繊毛の輸送制御メカニズムの実態を構造と機能の面から解説する.

繊毛ゲート,拡散バリア,移行帯,鞭毛/繊毛内輸送

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