スマホで読める実験医学
550円

心臓形成と一次繊毛:心臓から毛が生えている意義を考える

Toward understanding the sensation of fluid flow through the primary cilia during cardiac development
福井 一
Hajime Fukui:Institut de Génétique et de Biologie Moléculaire et Cellulaire(IGBMC)/National Cerebral and Cardiovascular Center Research Institute(NCVC)(フランス遺伝学細胞分子生物学研究所/国立循環器病研究センター研究所)
10.18958/5577-00001-0001508-00

一次繊毛は心臓の正常発生に必須のオルガネラである.では,一次繊毛がどのように心臓形態制御にかかわるのだろうか.血流や拍動により生じる物理的な力を感知するのか?シグナル伝達の場として機能するのか? われわれはこのいまだ解明されていない謎を明らかにしたいと考えている.観察技術の発展に伴い可能となりつつある,小さく・動的である一次繊毛の詳細な特徴を評価することが謎に迫る鍵となるであろう.われわれはゼブラフィッシュを用いて心臓形成過程における一次繊毛機能の解析を行っている.本稿では近年明らかになってきた心臓形態形成と一次繊毛のかかわりについて紹介するとともに,われわれが得た結果を併せて報告する.

先天性心疾患,ゼブラフィッシュ,心外膜,流れ感知

この記事は有料記事です

(残り約5,600文字)

  • 【スマホで読める実験医学】心臓形成と一次繊毛:心臓から毛が生えている意義を考える
    550円

関連書籍

実験医学 2018年4月号

一次繊毛の世界

細胞から突き出した1本の毛を巡る論争

  • 井上尊生/企画
  • 定価:2,200円(本体2,000円+税)