スマホで読める実験医学
550円

ダイナミックな一次繊毛の分解メカニズム

Dynamic molecular mechanism of primary cilia disassembly
二本垣裕太
Yuta Nihongaki:Department of Cell Biology and Center for Cell Dynamics, Johns Hopkins University School of Medicine(ジョンズホプキンス大学医学部細胞生物学科)
10.18958/5577-00001-0001504-00

一次繊毛は,細胞膜から突出する1本の不動性繊毛であり,細胞外刺激を細胞内へとシグナル伝達するアンテナ小器官として働く.一次繊毛は動的なオルガネラであり,細胞休止期に生成され,細胞周期の再進行とともに分解されていく.この一次繊毛の分解プロセスは,酵素活性,微小管安定性,膜脂質組成などの多くの因子の制御を通じて実現されていることがわかってきた.本稿では,一次繊毛の分解を担う分子機構について,特に最近明らかにされたイノシトールリン脂質動態によって制御される一次繊毛の分解経路に重点をおき,紹介する.

オーロラAキナーゼ,イノシトールリン脂質,INPP5E,細胞外小胞

この記事は有料記事です

(残り約6,600文字)

  • 【スマホで読める実験医学】ダイナミックな一次繊毛の分解メカニズム
    550円

関連書籍

実験医学 2018年4月号

一次繊毛の世界

細胞から突き出した1本の毛を巡る論争

  • 井上尊生/企画
  • 定価:2,200円(本体2,000円+税)