スマホで読める実験医学
550円

[フォーラム]繊毛由来小胞に特異的なタンパク質をいかにして捉えるか小さいことゆえの特殊な実験手法

池上浩司,瀬藤光利
Koji Ikegami1)〜3)/Mitsutoshi Setou1)2):Department of Cellular and Molecular Anatomy, Hamamatsu Univer- sity School of Medicine1)/International Mass Imaging Center2)/JST, PRESTO3)(浜松医科大学細胞分子解剖学講座1)/国際マスイメージングセンター2)/ 科学技術振興機構さきがけ3)
10.18958/5577-00001-0001511-00

一次繊毛は光の回折限界程度の大きさで,光学的な手法の適用が容易ではない.また1細胞に1つしかなく,さらに間質が細胞質と直接つながっていることもあり,生化学的な手法も適用が難しい.そのため一般的な生物学的解析手法が遺伝学や薬理学にかたよってきた歴史があるが,それらの実験結果は一筋縄では解釈できない.なぜなら対象となる分子が一次繊毛だけで選択的に機能していればよいが,多くの場合では同分子が一次繊毛外にも発現が確認されていて,対象分子の一次繊毛での役割を純粋に評価することが難しいからである.そのため,一次繊毛の実験手法には一工夫必要である.本フォーラムでは,こうした工夫の原理を専門家の方々に応用例もふくめて紹介いただいた.(企画者より)

この記事は有料記事です

(残り約1,800文字)

  • 【スマホで読める実験医学】[フォーラム]繊毛由来小胞に特異的なタンパク質をいかにして捉えるか 小さいことゆえの特殊な実験手法
    550円

関連書籍

実験医学 2018年4月号

一次繊毛の世界

細胞から突き出した1本の毛を巡る論争

  • 井上尊生/企画
  • 定価:2,200円(本体2,000円+税)