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米国における深刻なオピオイド乱用問題

実験医学2018年1月号

ドナルド・トランプ大統領は2017年10月26日，米国におけるオピオイド乱用問題の深刻化に対し「公衆衛生緊急事態」を宣言した．

オピオイドは慢性疼痛の治療に使われる鎮痛薬だが，中毒性がある．米国における2015年の薬物過剰摂取による死亡5万2,404件のうち，3万3,091件がオピオイド使用に関連していた．オピオイド中毒の米国民は2016年に200万人以上に達し，2000年以降，交通事故や銃の死亡件数より多い30万人以上の米国民がオピオイド過剰摂取により死亡している．妊娠中の母親のオピオイド暴露を原因としてオピオイド依存状態で生まれてくる新生児の数は，2000年から2014年で5倍に増加している．

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