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細胞の張力バランスの破綻が,がんの形態を規定する―三次元イメージングから得られた新知見

大阪大学大学院医学系研究科病態病理学 野島 聡

んは腺管構造,乳頭状構造,腺房構造といったように組織学的にさまざまな構造をとるが,これはがんの発生したもともとの細胞の属する組織構造を引き継いだものであると考えらえている.例えば腸管粘膜上皮から発生したがんは,初期はいびつな腺管様の構造をとって増殖するが,よりステージが進んでくると,この構造は徐々に失われ,特定の構造とはよべないより乱雑な構造へと変化していく.これらのがんの形態変化には,さまざまな分子の発現量・機能の異常に加え,力学的要因が大きく絡んでいることが予想されるが,これらの重要性を厳密に評価する系が存在していなかったことから,こういった見地からの研究はほとんどなされていなかった.

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2019年8月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2019年8月号 Vol.37 No.13
最も修復しにくい臓器 中枢神経を再生せよ!
炎症・グリア・臓器の連環が織りなすメカニズムから機能回復に挑む

山下俊英/企画
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