自分の世界で一番になる(2008年2月号)のOnline Supplement Material
今回は,本誌連載 第2回「自分の世界で一番になる」でご紹介いただいた,キャリア成長のうえでの障害であり,一方でうまく利用することによって自分の希少さを高めることのできる"Dip"について,その見きわめ方の詳細をご紹介いただきます.
セス・ゴーディンの「the dip(本誌文献1より)」によれば,両親や教師が子どもに与えるアドバイスが成人期になっても効力をもつなら,ビジネスキャリアの観点からみて最も不適切なものの1つが「一度はじめたことは絶対にやめてはならない(Never quit).必ず最後までやり通しなさい」である.ビジネスキャリアの観点から正しくいい直せば「長期的に見て大きな可能性のある仕事やプロジェクト(Dipの向こうに急峻な登り坂のあるキャリアやプロジェクト)であるなら,短期的な苦痛に耐えかねてやめてはいけない」となるだろう.
本誌コラムで書いたように,quitしなくてすむ最良の方法は,自分にDipを乗り越えられるキャパシティーがあるかどうかを,何事もはじめる前に十分に見極めることである(例えば,「有機化学が得意かどうかは,米国の医学部での基礎医学の勉強というDipを乗り越えられるかどうかを予測する簡単なテストである」という例をセスはあげている).
しかし,一般的に何事も計画通りには行かないものなので,計画したにもかかわらず,Dipの途中でquitしたくなったなら,本当にやめることを決定する前に次の3つのことを確かめようとセスは提唱する.