統計を「ツール」として使いこなすための待望の解説書! 研究者の悩み・疑問の声を元に,現場で必要な基本知識を厳選してQ&A形式で解説! 豊富なケーススタディーでデータ処理の考え方とプロセスがわかります.
目次
基本編 統計処理の基礎についての疑問
1章 最低限知っておきたい知識
Q 01 統計を使ってどのようなことがわかるのですか?【中道礼一郎】
Q 02 医学生物学研究で使われる検定にはどのようなものがありますか?【中道礼一郎】
Q 03 「統計学的に有意」とは何を意味しているのですか?【中道礼一郎】
Q 04 正規分布とはどのような分布でしょうか? 正規分布の区間推定についても教えてください.また,そのほかの分布もあるのですか?【中道礼一郎】
Q 05 母集団と標本について詳しく教えてください【中道礼一郎】
Q 06 帰無仮説と対立仮説とはなんですか? なぜ仮説を立てる必要があるのですか?【中道礼一郎】
Q 07 t 検定はどのようなときに使うものですか? また関連する方法があれば教えてください【中道礼一郎】
Q 08 片側検定,両側検定とは何ですか? どのように違いますか?【中道礼一郎】
2章 論文で頻出する統計のパラメーター
Q 09 グラフで登場するエラーバーとは何ですか?【白石友一】
Q 10 EC50とは何ですか?【白石友一】
Q 11 信頼区間とは何ですか? どうやって求めたらよいですか?【白石友一】
Q 12 相関係数R とは何ですか?【白石友一】
Q 13 なぜ平均値でなく,ばらつきも調べなくてはならないのですか?【白石友一】
Q 14 標準偏差(SD)と標準誤差(SE)とは何ですか?また,使い分けについても教えてください【白石友一】
Q 15 散布図では,n ,R 値,p 値は何を意味していますか?またどのようなときに使いますか?【白石友一】
Q 16 カプラン・マイヤー法,カトラー・エデラー法は何を表すものですか?また,その違いは何ですか?【白石友一】
3章 マイクロアレイ解析の基本
Q 17 マイクロアレイデータ解析の際のデータの標準化とは何ですか?【藤渕 航】
Q 18 Microsoft Excel によるデータの 標準化の簡単な方法を教えて下さい【藤渕 航】
Q 19 マイクロアレイデータを解析する際,データ再現性についてどのようなことに気をつけたらよいですか?【藤渕 航】
Q 20 マイクロアレイデータのクラスタリングを行うと何がわかるのですか?【藤渕 航】
Q 21 マイクロアレイデータから遺伝子ネットワークを調べるにはどうしたらよいですか?【藤渕 航】
4章 実験の目的に合った検定の選び方・実験計画
Q 22 自分の実験に,どのような統計手法が適切か判断するポイントを教えてください【富永大介】
Q 23 差の検定などにあたって,適切なサンプル数はどのように決めたらよいのですか?【富永大介】
Q 24 データが正規分布になっているかどうすれば確認できますか? また正規分布となっていない場合,どのように検定すればよいのでしょうか?【富永大介】
Q 25 臨床統計において,治療効果の信頼区間と有意差はどのように求めるのですか?【富永大介】
Q 26 検定法によって有意差が出る場合と出ない場合があるのはなぜですか?【富永大介】
Q 27 3群以上を一度に検定したいときは,どんな方法がありますか?【富永大介】
Q 28 マイクロアレイ解析で,発現に差のある遺伝子を同定したい場合はどのような検定を行うのでしょうか?【富永大介】
Q 29 同じ実験を繰り返して得られた平均値の誤差を出すときに,標準偏差と標準誤差ではどちらを用いるのでしょうか?【富永大介】
Q 30 サンプル数がそろっていない場合の検定法はどのように選んだらよいですか?【富永大介】
Q 31 2群の比較を行う検定法にはどのようなものがあるでしょうか?それぞれの特徴を教えてください【富永大介】
Q 32 マウスの体重と脳の重量のように,対応しているデータの関係を知るにはどうしたらいいですか?【荻島創一】
Q 33 独立な2群の平均値を比較するにはどのようにしたらよいですか?【荻島創一】
Q 34 対応のある2群の平均に差があるかをみるにはどうしたらよいですか?【荻島創一】
Q 35 2つの比率に差があることを示すにはどうしたらよいですか?【荻島創一】
Q 36 3つ以上の群の差を調べるにはどうしたらよいですか?t 検定は使えないのですか?【荻島創一】
Q 37 統計解析に役立つソフトにはどのようなものがありますか?【河府和義】
5章 測定値の扱い方
Q 38 測定の際に,明らかに外れた値が出た場合,もしくは値にばらつきが大きい場合,どうしたらよいですか?【今井祐記】
Q 39 実験で取られたデータに欠測値があったらどうしたらよいですか?【藤山沙理】
Q 40 解析群間のサンプル数(検体数)が異なる場合はどうしたらよいですか?【今井祐記】
Q 41 マウスを用いた実験で,個体差が大きく有意差が取りにくい場合はどうしたらよいですか?【松本高広】
Q 42 標準曲線(検量線)の正しい引き方を教えてください【今井祐記】
Q 43 遺伝子の組換えにより,致死を示す個体が多く,統計的にも信頼のおけるサンプル数にいたらない場合,どうしたらよいのでしょうか?【松本高広】
Q 44 マウス解析において,ヒトの各発達時期と対応するマウスの週齢の決め方を教えてください【松本高広】
実践編 バイオ実験での統計処理のケーススタディー
1章 発現量,活性など一般的なin vitro 実験のケーススタディー
Case 01 培養細胞に試薬A を加える前と後の,ある遺伝子の発現量を測定しました.その効果についてどのように解析すればよいでしょうか?【河府和義】
Case 02 培養細胞に試薬A を加えて0日後,1日後,3日後のある遺伝子の発現量を測定しました.この3群の解析には,どのような検定法を使えばよいですか?【河府和義】
Case 03 GFP タグを付けたタンパク質を培養細胞に一過性に過剰発現させて蛍光を検出しました.どれだけの細胞がどのくらいの蛍光強度で光っているかを解析するにはどうしたらよいですか?【河府和義】
Case 04 ある細胞を刺激する前と後で,サイトカイン産生を測定する実験を行いました.一度の実験で培養プレート3ウェルへ独立して細胞をまきました.サイトカイン産生量を定量した結果をグラフ化して示す方法を教えてください【河府和義】
Case 05 異なる系統の細胞株に化合物を投与する実験を行いました.投与群および非投与群のどちらでもデータにばらつきが大きくなったとき,有意差検定は何法を用いればよいのですか?【河府和義】
Case 06 培養条件決定において何種類かの血清ロットを検討し,増殖活性の最も高い血清を選ぶためには,どのようにしたらよいですか?【河府和義】
Case 07 ある物質の投与群と非投与群の2群に分けた動物1匹ずつから細胞を採取し,ある遺伝子の発現を測定しました.この測定を5回別々の日に行った場合,どのような解析を行ったらよいですか?【河府和義】
Case 08 感染組織の肉芽腫エリアをデジタル処理し,組織中の割合を検出したとします.その割合が人種,喫煙歴の有無によって有意に異なるのか調べるためにはどうしたらよいでしょうか?【河府和義】
Case 09 異なった2系統のマウス由来培養細胞に,試薬処理をした際,試薬処理群とコントロール群に有意差があるか調べるにはどうしたらよいのでしょうか?【河府和義】
Case 10 ある2つの遺伝子群の 2塩基の頻度を比較し,2群間で有位差のある2塩基(CG など)を特定したいと思っています.どのような検定方法が適切ですか?【田中道廣】
2章 個体数,表現型,行動解析などのケーススタディー
Case 11 マウスの集団から抽出した10匹のマウスの体重の平均値,標準偏差の計算の仕方を教えてください【茂櫛 薫】
Case 12 ノックアウトマウスを作製したところ,野生型よりも体が大きいようです.ノックアウトの表現型への影響の相関を調べるにはどうしたらよいですか?【茂櫛 薫】
Case 13 ある遺伝子の効果を検討するため,ノックアウトマウスを作製しました.生後4週間と8週間ともに対照群と体重差が見られ,その差は8週間の方が大きくなっています.4週間と8週間の違いを統計的に調べるにはどうしたらよいですか?【茂櫛 薫】
Case 14 ラットを5 群に分け,1 ~ 4には異なる薬剤,コントロールには溶媒のみを投与したとき,各薬剤処理群とコントロール群の体重の平均値に差があるかを調べるにはどうしたらよいですか?【茂櫛 薫】
Case 15 平面培養の細胞で,集団遊走と単一遊走を比較したい場合にはどうしたらよいでしょうか?【袴田和巳】
Case 16 タイムコースをとりながら複数の変異株の細胞長をグラフにしました.そのときの有意差検定法を教えてください【袴田和巳】
Case 17 マウスを6 群に分け,それぞれ異なる濃度のワクチンを注射し,抗体をELISA で測定したときの有意差の検定法を教えてください【茂櫛 薫】
Case 18 マウスの遺伝子発現の比較実験でn = 5とおいてリアルタイムRT-PCR をした際に,ある処理群の3匹の発現量が定量限界以下になってしまいました.統計的な解析をするにはどうしたらよいですか?【茂櫛 薫】
Case 19 特殊飼料あるいは通常飼料を給餌した際に,体重の増減を調べました.特殊飼料投与の影響が性別で違うのかどうかを知るためには,どのような統計処理をすればよいのですか?【茂櫛 薫】
Case 20 マウスの生存率検定を4 群で比較するときにはどの生存率検定を行えばよいのですか?【茂櫛 薫】
Case 21 片眼に基剤,他眼に薬剤を点眼した動物で,薬剤濃度を変化させた複数の群を設定した場合,効果に濃度依存性があるか,有意な効果があるかの評価はどうしたらよいですか?【袴田和巳】
Case 22 基剤群を含め薬剤濃度を振った複数の群で,1週目,2週目,3週目,4週目とスコアを付けた際,効果に濃度依存性があるかどうかの評価はどうしたらよいですか?【袴田和巳】
3章 マイクロアレイ解析のケーススタディー
Case 23 細胞をsiRNA 処理して,影響を受ける遺伝子を見るためにDNA マイクロアレイを用いましたが,遺伝子発現データが安定していないようです.まず,何をすべきでしょうか?【田中道廣】
Case 24 実験的レプリケイトをとったマイクロアレイ実験を複数回行ったとき,平均発現量の差が意味のある差なのか実験誤差によるものなのかどうかを算出するにはどうしたらよいのですか?【田中道廣】
[付録]
統計解析の選び方
有効数字の取り扱い方と計算例
相関係数検定表〔R の有意点(両側確率)〕
標準正規分布表
t 分布表(両側確率)
F 分布表(有意水準α= 0.05)
数式一覧
特別に,本書から全6項目を抜粋し順番にご紹介いたします.ぜひ一読ください.
- 統計処理の基本知識とそれを用いた実際の実験での応用と2つの章に分かれており、大変ためになりました。特にマイクロアレイに関する基礎知識と応用例は新しいことの連続で、自分自身のアレイ解析の仕方を考える上で非常に役に立ちました。また新しい発見として検定の仕方に様々な種類があることを学びました。私は検定と言ったらt検定しか知りませんでしたが、データの性質や自分が何を知りたいかによってその検定法が変わってくるというのは驚きでした。(伊原辰哉/早稲田大学 修士1年)
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- 【本書名】バイオ実験に絶対使える統計の基本Q&A〜論文が書ける 読める データが見える!
- 【出版社名】羊土社
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