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酸化ストレスと腎障害

Oxidative stress in kidney disease
鈴木教郎
Norio Suzuki:Applied Oxygen Physiology Project, New Industry Creation Hatchery Center, Tohoku University(東北大学 未来科学技術共同研究センター 酸素代謝制御プロジェクト)
10.18958/7013-00001-0000123-00

細胞は活性酸素種および親電子性物質を摂取・産生しながら活動しているが,これらの細胞傷害性物質の過剰状態は「酸化ストレス」としてさまざまな疾患の発症や進行の原因となる.一方,生体には酸化ストレスを除去・軽減する防御系が備わっている.酸化ストレス防御系では,転写因子Nrf2が中心的役割を担っており,Nrf2の研究から酸化ストレス感知・応答の分子機構が明らかになりつつある.本稿では,腎臓病における酸化ストレスの関与とNrf2による腎保護作用について概説する.また,Nrf2を活性化する薬剤の腎臓病治療効果に関する研究成果を紹介する.

Keap1,Nrf2,虚血再灌流障害,臨床試験

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