スマホで読める実験医学
550円

腎疾患におけるオルガネラストレス

Organelle stress in kidney diseases
長谷川 頌,稲城玲子
Sho Hasegawa/Reiko Inagi:Division of CKD Pathophysiology, The University of Tokyo Graduate School of Medicine(東京大学大学院医学系研究科 慢性腎臓病病態生理学講座)
10.18958/7013-00001-0000119-00

腎臓はエネルギー需要が高い臓器であるが,それに比して酸素供給が十分でないことから代謝の中心であるミトコンドリアが障害を受けやすい環境にある.腎領域は長年有効な治療薬に恵まれなかったが,近年では腎組織のエネルギー需要を減らすSGLT2阻害薬が慢性腎臓病の進行を遅らせることが明らかとなり,治療標的としてミトコンドリアが注目を集めている.また,小胞体・エンドソーム・一次繊毛を含めたさまざまなオルガネラへのストレスが連関しながら腎疾患の病態形成に関与していることから,オルガネラ連関の観点で病態生理を捉えることも重要と考えられる.

ミトコンドリア,小胞体,エンドソーム,一次繊毛,オルガネラ連関

この記事は有料記事です

(残り約9,800文字)

  • 【スマホで読める実験医学】腎疾患におけるオルガネラストレス
    550円