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がん微小環境における免疫病態

Immunopathology in tumor microenvironment
河上 裕
Yutaka Kawakami:Division of Cellular Signaling, Institute for Advanced Medical Research, Keio University School of Medicine(慶應義塾大学医学部先端医科学研究所細胞情報研究部門)
10.18958/5605-00001-0001534-00

がん微小環境において,がん細胞は多様な機序により抗腫瘍免疫から逃避する.また免疫はがんの増殖浸潤を促進する場合もある.がん微小環境の免疫病態は,がん種,同じがんでもサブタイプごと,さらに症例ごとに異なり,さまざまながん治療の効果に関係する.がん免疫病態の個人差の原因として,がん細胞の遺伝子異常の違い,遺伝子多型に規定される患者の免疫体質,さらにさまざまな環境因子が関与する.がん微小環境の免疫病態の理解は,がんに対する理想的な個別化治療の開発につながる.

がん微小環境,免疫抑制,免疫状態の個体差,免疫制御

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