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制御性T細胞・ステロイド―異なる2つの観点からの“免疫抑制”

Regulatory T cells and Steroids-“Immunosuppression” from two different perspectives
前田優香
Yuka Maeda:Division of Cancer Immunology, National Cancer Center Research Institute(国立がん研究センター研究所腫瘍免疫研究分野)
10.18958/5605-00001-0001537-00

制御性T細胞(Treg)は自己免疫寛容を成立させるとともに過剰な免疫応答を抑制することで生体の恒常性維持に重要な役割を担っている.しかし,がん局所へのTregの浸潤が予後不良と相関すること,Treg除去は抗腫瘍免疫応答が惹起されることなどから,抗腫瘍免疫応答の抑制機構の一つにTregがあげられる.一部の効果的ながん免疫療法によりTregが除去され自己免疫が起こり,この自己免疫をコントロールするためにステロイドが用いられている.過剰に抑制が阻害されることによる弊害を免疫抑制で補うといった矛盾.これまで詳細に検討がなされていなかった“がん免疫療法とステロイド投与”の関係についての知見を報告する.

Treg,ステロイド,免疫寛容,免疫抑制

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