再びスウェーデンへ

私は令和4年（2022年）3月に東京大学大学院医学系研究科で最終講義を行い，教授職を退任した．退任後はこれまでの基礎研究をもとに，臨床に向けた研究を行いたいと考え，私たちの研究室で見出した悪性脳腫瘍（神経膠芽腫）の治療標的と期待する分子に対する抗体医薬の開発研究を開始した．しかし，創薬研究は私にとって全くの未知の世界で，予想もしなかった出来事の連続である．臨床応用に向けてベンチャーを起業することになったが，国内での起業が困難であったため，かつての私の留学先のスウェーデンで起業することとなった．私の定年後の，自分としては充実したと思える毎日を紹介したい．