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固形がんに対するarmored CAR-T細胞療法の開発

Development of armored CAR-T cell therapy against solid cancers
佐古田幸美,玉田耕治
Yukimi Sakoda/Koji Tamada:Yamaguchi University Graduate School of Medicine, Department of Immunology(山口大学大学院医学系研究科免疫学講座)
10.18958/7371-00001-0000626-00

キメラ抗原受容体(CAR)を利用したCAR-T細胞療法は血液がんに対しては優れた治療効果を示す一方,がん罹患数の9割以上を占める固形がんに対してはいまだ十分な治療効果を示すことができていない.固形がんは血液がんと異なり腫瘍微小環境において強力な免疫抑制機構が形成されており,これがCAR-T細胞の浸潤や生存,増殖を困難としている大きな要因の一つとなっている.そこで近年,サイトカインやケモカイン,免疫調整分子などを分泌するarmored CAR-T細胞がデザインされ,固形がんにおけるCAR-T細胞療法の治療効果を高めることが期待されている.本稿では,armored CAR-T細胞の最新の知見について概説するとともに,われわれの研究グループが開発しているarmored CAR-T細胞の一つであるPRIME CAR-T細胞について論述する.

armored CAR-T細胞,固形がん,腫瘍微小環境,PRIME CAR-T細胞

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