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がんにおける分岐鎖アミノ酸代謝の重要性

The curious case(s) of BCAA metabolism in cancer
中野隆斗,伊藤貴浩
Takato Nakano/Takahiro Ito:Institute for Frontier Life and Medical Sciences, Kyoto University(京都大学ウイルス・再生医科学研究所 がん幹細胞シグナル学分野)
10.18958/6845-00001-0000761-00

がん細胞の代謝は正常細胞のそれとは異なっており,がんの形質や進行・転移,薬剤耐性といった現象を制御することがしだいに明らかになってきた.分岐鎖アミノ酸(BCAA)代謝は,この数年で急速に解明が進んだ新しいがん代謝経路の一つである.BCAA代謝は,多様ながんにおいて増殖に寄与するが,遺伝子変異の違いやがん種によって代謝の方向性や依存性が大きく異なる「個性」をもっていることがわかってきた.がん細胞は,自身が置かれた環境に適応し生存や増殖を有利に運ぶために,BCAAの代謝や動態を操っているようである.

BCAA,BCKA,BCAT,がん幹細胞,がん進行制御

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